形成外科について

形成外科は体表面の異常、一般的な疾患の治療に加え見た目を改善させることも考えて治療を行っている科です、あまり聞きなれない科ではありますが当院で行っている実際の治療を紹介させていただきます。

皮膚腫瘍

形成外科は体表面の異常、一般的な疾患の治療に加え見た目を改善させることも考えて治療を行っている科です、あまり聞きなれない科ではありますが当院で行っている実際の治療を紹介させていただきます。

  • ホクロ
  • 脂漏性角化症
  • 皮膚悪性腫瘍

ホクロ治療に関して

①レーザー治療の場合(美容目的のものに関しては保険外治療となります)

主に顔面のホクロ(4㎜以下)に対して行います。局所麻酔を行った後にCO2レーザーにて組織を焼灼しホクロの組織を除去します。終了後はわずかな穴ができますが、通常10日間ほどで上皮化します。それまでは軟膏および肌色のテープを張っていただきケアしていただきます。上皮化後は赤みが数か月持続しますが、化粧は可能であり赤みも徐々に減少していきます。比較的きれいな傷として治すことができます。

料金

大きさに関わらず 1個 5,500円(税込)

②切除の場合

大きさのあるホクロ(6㎜以上)、出血したりして悪性の可能性が疑われるホクロなどは切除による手術が好ましいかと思われます。ホクロを取り残さないように最小限の皮膚切除にてホクロを完全に切除し縫合します。取った組織は病理検査に提出し細胞レベルで悪性の有無や確定診断を行います。もちろん局所麻酔で当院にて行えますが、一般的なホクロで1個あたりの手術時間は約15分ほどです。その後はバンドエイドを貼って帰っていただきます。毎日の通院は不要で手術後1週間で抜糸を行い病理検査結果もお伝えしています。治療後は通常細い線の傷となりますが真皮縫合を行っておりますので傷は比較的目立ちにくいものに仕上がります。

料金

保険診療 3割負担にて 約7,500円~約8,500円
(病理組織検査代を含む)

脂漏性角化症

顔や首、胸部、腹部などに存在し、加齢とともに出てくるできものですが盛り上がっているのが特徴です。これはCO2レーザーと呼ばれる表面を削るレーザーにて治療を行うことでかなりきれいに除去することが可能です。除去した後は軟膏を塗布し、肌色のテープを貼っていただき傷が治るまでの約10日ほどケアしていただきます。

料金

保険適応の場合と自費診療の場合があります、詳しくは診察時にお伝えします。

皮膚悪性腫瘍の場合

ボーエン病、基底細胞癌、扁平上皮癌などの腫瘍は日常でよく遭遇する疾患として存在している悪性腫瘍です。また癌になる手前の状態である前癌病変の日光角化症などもよく遭遇しますので、これらのことは常に念頭において腫瘍全般についての治療を行わなければなりません。
当院では腫瘍切除し病理結果が万が一悪性腫瘍であった場合には、大学病院などへの紹介を行っております。また悪性度が低いものでは当院にて拡大切除を行い必要があれば提携している病院にて全身への腫瘍の転移をCTやMRI検査にて調べフォローアップしていく場合もあります。フォローアップは通常5年行うことにしています。

耳に対する異常

  • 副耳
  • 耳前瘻孔など(保険適応)

耳前瘻孔

耳前瘻孔の画像

耳前瘻孔は耳の前部に存在する1㎜ほどの穴ですが、これは感染して腫れたりすることがあります。これは瘻孔の存在が感染の原因となっているので、これを含めて完全に除去することが根治的治療となります。局所麻酔下にて当院で治療可能ですが、瘻孔の存在を常に確認しながらの切除になりますので、1時間ほどかかることがあります。

副耳

副耳の画像

副耳は、耳の前方に突起のように存在している皮膚および軟骨成分を含むできものです。機能的な異常は全くありませんので、整容的な理由での切除になります。当院では軟骨も含めて副耳を切除し余剰な皮膚を用いて傷を縫合しますので比較的良好な傷跡にて治すことが可能です。

外傷

  • 擦り傷
  • 切り傷
  • 打撲
  • 猫、犬などによる咬傷

日常生活にて受けた傷も、むやみに消毒したり間違った知識にて処置したりすると治癒が遅れ結果的に傷痕が目立つ可能性もあります。少しでも傷痕をきれいに治そうと思うと形成外科への通院による処置及び指導を受けるのが適切です。また、感染を伴っている場合には抗生剤の内服を行うこともあります。処置に必要なガーゼ類やテープは市販のものでも構いませんが、当院にて処方することも可能です(自費となります)。

爪の異常に対する治療

  • 陥入爪
  • まき爪

主に足の指(特に足の親指)に爪が当たって歩くのが痛い、爪が身を挟んで痛い、などの症状は陥入爪やまき爪が原因のことが多いです。よくあるのが爪を切りすぎて深爪となっている場合ですが、ひどくなると爪の間から炎症性肉芽と呼ばれるブヨブヨした赤い身が出てくる状態にまでなることもあります。当院では内服や生活指導などによる治療方法やレーザーを用いた外科的治療方法が存在します。症状が軽ければ保存的治療にて軽快させることも可能です。また、巻き爪の治療の場合にはレーザーによる爪の矯正を行うことで施術後から痛みをなくすことも可能です。
陥入爪にて長年炎症を繰り返す症例などでは、根治的に問題となっている両端の爪を生えなくさせるようにするフェノール法にて対応しています。

保険診療3割負担の場合の費用の目安

レーザー治療による巻き爪の治療 約2,500円
フェノール法による陥入爪の治療 約5,000円

傷痕に対する治療

交通事故や外傷で受けた幅の広い傷痕は再度メスにてきれいに切り取り、真皮縫合と呼ばれる皮膚の中だけを縫合する縫い方にて傷あとを目立ちにくくすることができます。しかし、傷は常に引っ張られる方向に力を受けているためこれを打ち消すように抜糸後からは肌色のテープを貼って傷の赤みが消える数か月過ごしていただきます。同時に傷の赤みや盛り上がりを抑える薬を内服していただくことも場合によってはあります。これらを組み合わせることで目立ちにくい傷痕にしていくことは可能です。また、傷痕が引きつれていることなどにより赤みのある傷痕になっている場合は、Z形成術と呼ばれる縫い方を行い皮膚の拘縮を解除し機能的にも整容的にも改善させることもできます。